南グリーンランドのクアネルスウト。氷河に囲まれたこの一帯に、世界有数のレアアース鉱床が眠っている。埋蔵量は膨大で、西側諸国にとっては「中国以外の大規模供給源」として期待された場所だった。
だが現実は、その期待を裏切る方向に動いている。
このプロジェクトの主要株主かつ技術パートナーが、中国系企業の盛和資源(Shenghe Resources)なのだ。グリーンランド政府は当初、西側資本を望んでいた。しかしインフラ投資と分離精製技術を持っており、その二つを併せ持つ企業が中国企業だった結果、中国の深い関与を受け入れざるを得なくなった。
ここで逆説が生まれる。西側が期待した「中国以外の供給源」が、中国の統合サプライチェーンに組み込まれようとしている。地理的には中国本土の外にあっても、実質的には中国が価格と供給量をコントロールする「海外拠点」となる可能性が高い。

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